ー ENVIRONMENT -

環境負荷低減のために

当社では、環境保全への貢献を経営の重要な基本の一つとし、資源の効率的な利用や環境リサイクルの取り組みを通じて、環境負荷低減と資源リサイクル事業に取り組んでいます。

「環境理念」

 

共英製鋼グループは、資源循環型事業を通じて鉄スクラップを原料とした鉄鋼事業と廃棄物を安全溶融処理する環境リサイクル事業と共に環境保全に努め、社会と共生し、地球環境に貢献する企業を目指します。

 

「基本方針」

 

資源循環型産業として、省エネルギー、省資源、リサイクルの拡大を推進し、環境負荷低減を図り、地域社会の環境保全型社会形成に貢献する。

 

環境法令を遵守するとともに、地域の環境に配慮し、継続的な環境管理活動を通じて、環境改善、汚染防止に努める。

 

地域社会の一員として、行政、住民との交流を通じて、地域と共生した環境活動を推進する。

環境関連データ(国内連結子会社計)

■CO2排出量原単位<br>(t-CO2/t)

■エネルギー原単位(原油換算)(㎘/千t)

■生産量(千t)

環境負荷低減のための取り組み

省エネルギーと低NOx燃焼を両立した 「リジェネレイティブバーナー」を採用

 鉄鋼の加熱炉の場合、炉内温度は約1,200℃にもなります。その温度を維持するには、炉内に新鮮な空気と燃料を送り、燃焼させ続けなければなりません。そのため、エネルギーの利用効率向上は、環境への負荷低減のためにも大きな課題となっています。そこで当社では、省エネ型バーナーであるリジェネレイティブバーナーを順次導入してきました。リジェネレイティブバーナーは、蓄熱体と一体化した2基の バーナーを一対として、一方のバーナーの燃焼時は、その排気を他方のバーナーの蓄熱体を通過させ、蓄熱体を加熱することで排気の持つエネルギーを回収。次にそのバーナが燃焼するときには、燃焼用空気を先ほど加熱した蓄熱体を通過させることで予熱し、従来であれば捨てていた排気のエネルギーを回収することで高い燃焼効率を実現します。この蓄熱効果による熱交換効率向上で、省エネルギー化を図っています。また、低NOx(窒素酸化物)燃焼を行うために燃料と空気を別々のノズルより高温炉内に直接噴霧することで燃焼速度を著しく遅らせ、NOxの発生も大幅に抑制しています。

■リジェネレイティブバーナーの仕組み

 

「ダイレクト圧延プロセス」の導入により、 生産ラインの効率化と省エネ化を実現

 当社では、製品としての品質を高いレベルで確保しながら、製造プロセスのより省エネ・省資源化を絶えず追及。その取り組みの一つが「ダイレクト圧延」と呼ばれる、鋳造工程と圧延工程をダイレクトに結んだ、画期的な生産方式の導入です。通常、電気炉で鉄スクラップを溶融した後、連続鋳造機を通過することで冷却・凝固されて、鋳片(ビレット)と呼ばれる半製品になります。その後、冷えた鋳片を加熱炉で所定の温度まで再加熱し、目的の形状およびサイズに加工するのが一般的な「加熱炉圧延プロセス」です。また、鋳片をより高温のまま加熱炉へ装入して圧延する「ホットチャージ圧延プロセス」も近年多用されています。当社では、圧延工程のさらなる省エネに取り組むため、鋳造後、直接圧延を行 うことができる「ダイレクト圧延」技術を導入しました。これにより、再加熱が不要となり、燃料の使用量も大幅に削減。CO2の排出も抑制でき、環境への負荷の少ない地球に優しい生産方式を実現しています。

■各プロセスの概念図(従来型→ダイレクト圧延)

 

資源リサイクルのための取り組み

電気炉の熱を無駄なく有効活用

 電気炉の稼働時には3,000~7,000°Cのアーク熱が発生します。一般的なゴミ焼却炉の平均温度が800ºCであるのに対し、この“超高温”を活用すれば、廃棄物を安全・確実に溶かし、完全に無害化して処理することができます。リサイク ル、省エネ、環境保全などの取り組みを推し進めるうえで、この電気炉の特性をもっと役立てたい、との発想から、当社がパイオニアとして約30年前から取り組んでいるのが、環境リサイクル事業です。電気炉の操業技術を活かして廃棄物を無害化処理すると同時に、鉄資源を鉄鋼製品の一部としてリサイクルします。増 え続ける廃棄物を適切に処理し、製品を生み出す資源循環は、私たちが企業市民として果たすべき重要な使命と考えています。

廃棄物処理をトータルに提供できる事業へ

 注射針や手術用メスなど医療廃棄物の処理からスタートした環境リサイクル 事業は、時代とともに拡大するニーズを映し、徐々に処理品目を増やし、今では当社グループの重要な事業の柱の一つとなっています。近年では炭素繊維 (CFRP)の処理を安定的に行うため、新しい破砕機を導入(山口事業所)したほか、フロンガスの破壊処理やガス化溶融炉による廃棄物処理と燃料ガスの製造、中和処理設備を利用した廃飲料水処理など、多種多様な廃棄物の処理をトータルに提供できる事業へと深化しています。今後も、電気炉を核とした総合リサイク ルシステムを通じて、日本の資源再生と環境保全に幅広く貢献していきます。

電気炉を核とした総合リサイクルシステム

TOPICS

環境リサイクル事業に

取り組むきっかけとなった

医療廃棄物処理システム

「メスキュード」とは

社会問題から持続性の高いサービス提供へ

 1980年当時、使用済みの注射針が大量に不法投棄され、感染者が出たことなどが社会問題となっていました。プラスチックや電子機器など加熱滅菌に適さない素材の医療器具が増加する一方、患者に接触する部分の隔離目的で使い捨て化も進行していました。
 その報道を目にした当社社員が「危険なものは電気炉を使って溶かせばいい」と発想したのがメスキュードの始まりです。それまで地方自治体が受け入れ焼却処理していたものを、民間が有償で処理するにあたっては、医療現場の理解など、多くの壁がありました。社会問題の深刻さを丁寧に説明するとともに、安心・安全な処理プロセスを開発。1988年「メスキュード事業」としてスタートを切りました。
 その後1992年の廃棄物処理法改正による「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」制定を受けて、メスキュードは一気に広まることとなりました。
 現在は安全で持続性の高い処理方法として認知され、多くのお客様の支持を頂いております。

医療現場とのコミュニケーションから生まれたシステム

 病院等医療機関から排出される使用済みの注射針や注射筒、メスなどの廃棄物は、感染リスクを持つものもあり、特別な処理が必要となる場合があります。そのため従来は、医療現場で一般ごみとは区別して管理し、注射針の取り外しや薬剤容器・医療器材の選別といった危険な作業を行っていました。
 当社が開発した「メスキュードシステム(特許取得)」では、高温の熱を発生する電気炉を活かして医療廃棄物を容器ごと溶融処理。廃棄物の回収から処理まで、人が廃棄物に直接触らずに処理できるよう、容器は磁石で吸着できる鉄製です。医療現場とのコミュニケーションを通じて、4種類のサイズの容器を準備し、容器のふたをペダルで静かに開け閉めできるスタンドも開発するなど、医療従事者や患者の方々の衛生環境に配慮した改良を重ねました。全国の医療機関に設置した専用容器は、提携代理店を通じて回収し、電気炉で安全・確実に無害化溶融処理を行っています。
 また、2002年には「メスキュード医療安全基金」を設立。売上の一部を、厚生労働省などを通じて様々な団体に寄付しています。

鉄スクラップとともに電気炉へ