中期経営計画 「NeXuS 2023」

当社は創業以来「鉄づくりを通じて社会に貢献する」ことを基本理念として、社業を継続してきました。当社グループの中核である電炉事業は、鉄スクラップを再び製品として社会に送り出す資源循環型事業であり、持続可能な社会の実現に貢献しうる存在です。

 

「100年企業」に向け、創業の精神である“Spirit of Challenge”という経営理念の下、「世界のインフラづくりや地球の環境保全に貢献する企業」「すべてのステークホルダーに貢献する企業」「安全で働きやすい職場づくりを進める企業」「コンプライアンスや品質を重視する信頼性の高い企業」をありたい姿とし、社会の発展と地球環境との調和に貢献する「エッセンシャル・カンパニー」を目指します。

経営計画(2023年度)

 売上高:2,900億円  経常利益:180億円
 出荷量:400万トン (国内:170万トン、海外:230万トン)
 ROS:6%以上  ROE:7%以上
 配当性向:30%程度

基本方針

スローガン

「地球と共存 世界へ未来へつながる共英製鋼グループ」

基本コンセプト

nexus:つながり・連携

本中期計画のタイトルに用いているnexusは、「つながり・連携」という意であり、下の3つの意味を持たせています。

 

①グループ内をつなぐ力

 国内外の拠点間、各拠点と本社などがより一層連携し、グループ総合力を強化する

 

②外部とつなぐ力

 他社との連携や共同研究、産学連携により技術の飛躍を目指す

 

③次代につなぐ力

 「100年企業」実現のため、企業イメージやブランド、社員の意識、組織風土など企業の「見えざる価値」を向上させる

具体的施策

前中期計画の振り返りおよび外部環境などを踏まえ、本中期計画の重点方針を次のとおりとします。

事業の成長に向けた取り組みと、ESGの取り組み・成長を支える基盤強化の両面を進めます。

海外鉄鋼事業の収益力強化と成長拡大の準備

  • 国内との連携強化による技術水準の向上、設備改善等により、コスト削減、生産性の向上を進め、ベトナム・北米両エリアで安定的収益を確保するとともに、設備能力増強等により、出荷量230万トン体制の構築を目指します。その上で、グローカル・ニッチ戦略の下、将来の規模拡大に向けた準備を行います。

国内鉄鋼事業の競争力強化と将来を見据えた設備更新

  • 引き続き、コスト削減や営業力向上など競争力強化に努めるとともに、当社グループの中核である国内鉄鋼事業の将来にわたる業容維持に向けて、国内各拠点の老朽化対応や生産性向上のための大規模設備投資の検討を進めます。また、各拠点で省力化(省エネ化)や省人化のための設備を充実し、さらなる安全・安定操業を図り、出荷量170万トン体制を維持します。

環境リサイクル事業および鉄鋼周辺事業の収益機会拡大

  • 環境リサイクル事業については、電気炉による溶融処理は鉄鋼生産量の制約を受けるため、廃棄物処理能力の拡大は従来からの課題です。環境面に配慮した処理施設の建設やM&A等により、処理能力の拡大を図ります。一方で、信頼性の高い電気炉溶融処理の強みを活かし、今後の処理ニーズの高まりが予想される車載リチウムイオン電池や炭素繊維、社会問題となっているアスベストなど難処理廃棄物の処理を強化し、引き続き質の高いサービスを提供します。また、資源リサイクル技術の開発にも注力し、「真のリサイクル企業の実現」を目指します。
  • 鉄鋼周辺事業については、事業領域の拡大を目指し、顧客ニーズを捉えた加工品事業や鋳物事業の積極化、新製品の開発など事業の多角化を進めます。

カーボンニュートラル社会・資源循環型社会の実現に向けた取り組み強化

  • 「2050年のCO2排出量実質ゼロ」に向け、2030年度に国内生産拠点(共英製鋼および関東スチール)のCO2排出量を2013年度対比50%削減します。具体的方策としては、製造過程におけるエネルギー原単位の削減や燃料転換に取り組みます。
    併せて、太陽光パネル設置の拡充、緑化事業の具体化、再エネ電力利用の検討など、CO2削減への取り組みを強化します。また、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿った情報開示を行います。
  • 鉄鋼副産物のさらなる有効利用や完全リサイクルにも取り組みます。

すべてのステークホルダーに貢献する取り組み強化

  • 従業員・顧客・取引先・地域社会・株主といったすべての関係者に対し貢献する取り組みを行います。特に、企業活動、成長の源泉となる従業員に向けては、より安全で働きやすい職場環境づくりや健康増進・福利厚生向上を目指した「健康経営」に取り組みます。さらに、従業員の能力強化・人材開発を目的として、引き続き多様な人材の採用や教育・研修制度の充実を図るとともに、女性も活躍しやすい職場環境の構築や障がい者雇用の拡充にも取り組みます。
  • 顧客や取引先に向けては、品質管理体制の強化、コンプライアンスの徹底を図り、信頼関係をより強固にしていきます。
  • 地域社会に向けては、引き続き周辺環境への配慮とともに、寄付などによる地域社会活動への支援により、各拠点が立地する地域で信頼される企業を目指します。
  • 株主・投資家に向けては、非財務情報を含めた情報開示の充実、積極的な対話に努めます。

経営基盤の強化

  • 事業の成長に向けた取り組みを支える経営基盤の強化をさらに進めます。
    社債発行等による資金調達の多様化、財務規律の堅持により財務基盤を強化します。
  • グループ会社の経営管理体制を強化し、グループ全体でコンプライアンス教育の充実を図ります。情報セキュリティ体制およびIT監査の強化にも取り組みます。
  • 前中期計画期間にスタートした営業業務改革システムの完成、ペーパーレス化や定例業務のRPA化、生産現場へのAI/IoT導入によるスマートファクトリー化など、デジタル化を推進します。