100年企業に向けた成長の鍵

 

1963年、当社は日本の電炉メーカーとして初めて海外に進出し、台湾で圧延工場の建設協力と技術指導を行いました。その後タイ、ブラジル、インドネシア、アメリカなどでの事業展開のほか、20ヶ国以上で技術供与や技術指導を行うなど、海外での実績を重ねてきました。
現在は、ベトナムと北米(米国、カナダ)で事業を展開しており、日本と合わせた「世界3極体制」の下、海外鉄鋼事業は当社グループの成長にとって重要な柱のひとつとなっています。
日本国内の建設用鋼材市場が中長期的には縮小することが予想される中、成長市場のベトナムと成熟市場の北米において、海外鉄鋼事業を推進していきます。

ベトナム

近年成長が著しいベトナムには、1994年にいち早く進出し、ベトナムにおける日本の鉄鋼メーカーの進出第1号として、ベトナム南部ホーチミン市郊外に現地パートナーとの合弁会社ビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)を設立しました。1996年の稼働開始から20年あまり、高い品質ときめ細かいサービスで信頼を得、“KYOEI”ブランドを確立しています。2015年には新工場の完成により生産能力が倍増、生産品目も拡充し、今後のベトナム鉄鋼需要の多様化に備えています。
2011年にはベトナム北部ニンビン省にキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)を設立(2012年3月操業開始)、さらに2018年5月には、ベトナム北部フンエン省の鉄鋼メーカー、ベトナム・イタリー・スチール社(VIS社)を子会社化しました。KSVC社との連携により、ベトナム北中部市場での当社グループの存在感を高めていきます。
現在のベトナムは、高炉メーカーの参入などにより競合環境が厳しさを増していますが、技術の横展開など連携強化により、収益力向上に努めています。

北米

当社は、1970年代、1990年代に米国で鉄鋼事業を展開し、いずれも業績堅調でありながら、日本国内の事業環境の悪化により、やむなく手放した経緯があります。現在テキサス州で操業しているビントン・スチール社は、2016年12月に当社が米国で3度目に得た事業拠点です。50年以上の歴史ある工場で、鉱石粉砕用鉄球などを生産しています。
ビントン・スチール社を橋頭堡に北米事業の拡大を模索する中、2020年2月に、カナダのアルバータ州の歴史ある電炉メーカーを、アルタ・スチール社としてグループに迎え入れることができました。
両社とも、鉄筋のほか、鉱石の採掘に欠かせない鉱石粉砕用鋼材を生産しており、主に技術面での連携を進めていきます。