鉄スクラップを電気炉で溶解し、新たな鉄鋼製品として再生させる資源循環型事業です。ビルやマンション、橋梁や道路などの社会インフラに不可欠な鉄筋コンクリート用棒鋼(異形棒鋼)を主力製品とし、生産量において国内トップシェアを有しています。
【 強み 】
- 国内主要需要地である関東、中部、関西、中四国・九州に展開する4事業所体制(営業・購買・技術面でのシナジー創出、災害時の代替生産が可能)
- 高強度鉄筋・ネジ節鉄筋などの付加価値製品を展開
- 高強度せん断補強筋の母材生産から加工までをグループ内で完結
- 低品位鉄スクラップから高品質な製品を生産できる操業技術
【 機会 】
- カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの進展による電炉事業の優位性向上
- 社会インフラ更新需要を背景とした鉄筋需要の継続
- 鉄スクラップを原料とする鉄筋の安定需要
【 脅威・課題 】
- 人口減少に伴う国内需要の縮小
- 鉄スクラップ価格の上昇および調達難のリスク
- 建設現場の働き方改革による工期長期化や鉄骨造へのシフト
- 新たな建築工法への対応
- 労働力確保の困難化
- 生産設備の老朽化
- 気候変動に伴う自然災害の頻発や異常気象を背景に、脱炭素社会やエネルギーシフトなど持続可能な社会の実現に向けた取り組みへの関心が高まっています。また資源循環やCO2排出量削減への要請が強まるなか、電炉を用いた製鉄への社会的関心も一層高まっています。
- 日本では人口減少社会への移行が進み、労働力不足や需要減少への対応が重要な課題となっています。
- エネルギー価格や資材価格の上昇、円安の進行に加え、賃上げの進展や金利の上昇により、企業を取り巻くコスト環境は大きく変化しています。
- コロナ禍を契機とした働き方の変化に加え、生成AIの普及などにより、DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが一層加速しています。
4 事業所の連携強化と関東圏におけるプレゼンス向上
国内鉄鋼事業では、国内需要構造の変化を見据え、国内4事業所の連携強化による生産・販売の最適化を進めるとともに、国内最大需要地である関東圏におけるプレゼンス向上に取り組みます。高強度鉄筋やネジ節鉄筋などの付加価値製品の拡販を通じて需要を取り込むほか、鉄スクラップ調達機能の強化や加工部門との連携拡大を進め、事業基盤の強化を図ります。また、2024 年5月から販売を開始したエシカルスチールの認知度向上と普及を推進し、価格競争に依存しない差別化を目指します。さらに、物流効率化や省人化・自動化投資を推進することで、安全・安定操業とローコストオペレーションを実現し、持続的な成長基盤の構築に取り組みます。
需要低迷の長期化とスクラップ価格の上昇影響
建設・物流現場における人手不足や資材価格の高止まりなどを背景に、工事の遅延や長期化、計画見直しの動きが継続し、建設用鋼材の需要は低調に推移しました。このような事業環境のもと、当社においても製品出荷量は前期を下回り、138万トンとなりました。価格面では鉄スクラップ価格が第4四半期にかけて急騰した一方で、需要環境の低迷により製品価格への転嫁は限定的となりました。加えて、円安や中東情勢などを背景とした副資材価格や加工費の上昇も利益を圧迫しました。その結果、売上高は1,255 億円、営業利益は113億円となり、前期比で減収減益となりました。
付加価値戦略と川下戦略
関東圏におけるプレゼンス向上に向け、高強度鉄筋やネジ節鉄筋などの付加価値製品の拡販を推進しています。また、加工部門を担うグループ会社との連携を強化し、加工品を含めた提案力の向上と関東圏の多様な需要の取り込みに取り組みます。付加価値製品と加工機能を組み合わせ、お客様のニーズに合わせた対応力を高めるとともに、関東市場におけるプレゼンスの向上を図ります。さらに、グループの総合力を活かし、販売基盤の強化と需要獲得につなげていきます。
エシカルスチールを軸としたブランド戦略の推進
環境負荷低減やサーキュラーエコノミーなどが求められる時代の変化を背景に、エシカルスチールの認知度向上と普及に取り組んでいます。環境リサイクル事業と連携した営業活動を推進し、新たな案件獲得を目指します。また、説明会の開催や広報活動を通じて理解促進を図り、採用拡大につなげていきます。こうした活動を通じて、エシカルスチールを新たな建設用鋼材として浸透させ、さらなる普及拡大を推進していきます。

