当社のベトナム南部事業拠点であるビナ・キョウエイ・スチール社(VKS社)は、6月8日、ホーチミン市から南へ約75kmに位置するバリアブンタウ省フーミー工業団地で新設ライン起工式を行いました。式典には当社及びVKS社関係者の他、レ・ズオン・クアン商工業省副大臣、日田在ホーチミン日本国総領事をはじめ、バリアブンタウ省人民委員会、商社・建設会社・金融機関などから約250名が出席しました。
 

当社は、ドイモイ政策による対外開放後のベトナムに日本の鉄鋼会社として初めて進出、1994年にVKS社を設立し、1996年に圧延工程(下工程)での操業を開始しました。その後、ベトナム鉄鋼市場の拡大とともに生産能力の拡充を図り、2010年末には年産45万トン(操業当初の約2倍)体制を実現した他、2011年からは日本からの技術移転による「ネジ節鉄筋」の生産・販売を開始しました。操業開始以来2011年末までの製品出荷量は447万トンに上ります。

VKS社の、日本の技術による製品品質と日本のマネジメントによる経営はベトナムで高い評価を受け、市場からは一層の増産が待たれていました。
 

ベトナム経済は今後も高水準の経済成長と各種インフラの整備・拡充が見込まれ、これに伴う鉄鋼需要の拡大が期待されます。この需要拡大に応えるため、VKS社は新たに年産50万トンの電炉・圧延一貫ライン新設を計画、2011年10月にベトナム政府より許可を取得し今回の起工式を迎えました。稼動開始は2014年を予定しています。
 

VKS社は、現在もフルサイズの小形棒鋼を製造できるベトナムで唯一の棒鋼メーカーですが、今回新たに建設する電炉・圧延一貫ラインは、主に大型サイズ(太径)製品を生産し、経済成長に伴い増加が見込まれる大型土木工事や高層ビル建築に向けて製品を供給する予定です。
 

当社はベトナム北部地域でも2012年3月より鉄鋼事業を開始し、北部の拠点であるキョウエイ・スチール・ベトナム社(KSVC社)で新ラインの建設を進めています。ベトナム南北で進む両プロジェクトの実現により、共英製鋼グループの海外生産能力は200万トンに迫ります。成長戦略の一つである「海外鉄鋼事業の伸張」の実現により、当社グループは新たな飛躍を目指します。