Vol.03 環境リサイクル事業

  • なぜ環境リサイクル事業を始めたのですか?

    ▲鉄スクラップとともに電気炉へ
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    ▲鉄スクラップとともに電気炉へ

    “不法投棄の注射針によるHIV感染”の報道をきっかけに

    電気炉による無害化溶融処理の事業化に挑戦

     

    1980年頃、海岸に不法投棄された注射針を踏んだ観光客がHIVに感染した、というニュースが報じられました。その報道を目にした山口事業所の社員が「数千度に達する電気炉の熱を使って溶かせば安全かつ完全に処理できる。そして注射針などの鉄分は、たとえわずかでも製品の材料になる」と発想したのが、環境リサイクル事業の始まりです。その頃、山口事業所は材料調達に苦労しており、また、鉄鋼事業以外の収益源を模索していたこともあり、電気炉による産業廃棄物処理への挑戦を始めました。
    課題を一つ一つ解決しながら地道に取り組む中で、地元自治体の後押しもあり、1988年、注射針や使用済みメスなどの医療廃棄物を処理する「メスキュード事業」としてスタートを切りました。
    今では信頼性の高い処理方法として認知され、多くのお客様の支持をいただいています。

  • 具体的にはどのような事業を展開しているのですか?

    医療廃棄物から始まった事業は無害化溶融処理を中心に
    処理品目の拡大、グループ横展開へ

     

    現在、医療廃棄物処理から始まった事業は、一般企業や自治体から排出される産業廃棄物の無害化溶融処理を中心に、処理の難しい新素材の廃棄物など、幅広い品目を手掛けています。廃棄物に含まれる鉄分以外の成分は熱源となって化石燃料の削減に寄与したり、スラグ(鋼滓)として路盤材などに再利用されたりしています。
     

    事業発祥の地である山口事業所では、溶融処理のほか管理型最終処分場での埋立処理、賞味期限切れ飲料水をバクテリア分解する廃液処理(処理水は工場の冷却水として再利用)、ガス化溶融炉による自動車シュレッダーダストやアスベストといった難処理廃棄物の処理など、多岐にわたる廃棄物処理を手掛けています。他の生産拠点(枚方、名古屋の各事業所および関東スチール)でも、許認可状況に応じて産業廃棄物処理を行っており、グループ会社の共英産業、共英メソナ、共英リサイクルでも、環境リサイクル事業を展開しています。