資源循環型事業を通じて
  持続可能な社会の実現に
  貢献します

 

   代表取締役社長
   廣冨靖以

資源循環型事業を通じて
持続可能な社会の実現に
貢献します

 

代表取締役社長
廣冨靖以

高度循環型社会構築に貢献する 当社のビジネスモデル

 当社は、鉄スクラップを原料に電気炉によって鋼材を製造する普通鋼電炉メーカーです。国内では土木・建築用の異形棒鋼でトップシェアを誇るとともに、海外事業にも力を注いでいます。また、長年培った電気炉の操業技術を活かして環境リサイクル事業も展開しています。 鉄鋼業界は大きく高炉業と電炉業の2つに分かれます。鉄鉱石を高炉に入れ、鉄を作るのが高炉メーカーの製鉄です。一方、電炉メーカーの鉄づくりは、ひと言で言えば鉄資源のリサイクルです。日本の国土には、ビル、鉄橋、自動車などさまざまな形で、およそ14億トンの鉄鋼蓄積があると言われています。毎年そのうちの約2%、およそ3,000万トンが老朽化して鉄スクラップとして回収されます。鉄は製品としての寿命を終えた後も、何度でも生まれ変わるリサイクル性の高い素材です。この鉄スクラップを電気炉で溶かして再び鋼材として社会に送り出すことで、高度循環型社会構築の一翼を担うのが当社の役割だと自負しています。超高温の電気炉の特性を活かして、廃棄物を完全無害化処理する環境リサイクル事業も含め、当社の事業そのものが資源循環型社会の構築に貢献していると言えるでしょう。

将来を見据えた「質の強化」を目指す、 中期経営計画は順調に進捗

 当社は、2018年10月に中期経営計画「Quality Up 2020『未来への挑戦 ~より強い共英製鋼グループを目指して~』」を策定しました。数値目標として2020年度に連結売上高2,800億円、経常利益140億円を掲げておりますが、2019年度に利益面では目標の超過達成を実現する見込みです。その事業戦略のベースとなっているのが「世界3極体制」の確立です。日本、ベトナム、米国という3つの地域で補完しながら強固なグループ体制を構築しています。 国内鉄鋼事業は、2019年度は堅調な見通しですが、東京オリンピック後のインフラ需要の一段落や将来的な人口減少社会を見据え、 国内での比較優位を維持していくために、より効率的な生産体制の構築や操業技術力向上等による製造コストの削減を進めています。海外鉄鋼事業は、出荷量ベースでは国内鉄鋼事業と並ぶほど成長してきました。日本、ベトナム、米国ともに鋼材需要は引き続き堅調な伸びを示していますが、ベトナム北部においては価格競争が激化しているため、収益力強化を最重要課題と位置づけ、取り組んでおります。環境リサイクル事業は、近年ますます産業廃棄物が多様化しているため、社会的な要請は大きくなっています。これに応えるための様々な取り組みを行っています。この中期経営計画の中では「3つのQuality Up」として「現場力・社員力・ 経営力」の強化を掲げています。私は常々社員に「Aクラスの企業になろう」という長期ビジョンを話していますが、収益や企業規模の拡大だけが「Aクラ ス」につながるわけではありません。人材、ガバナンス、品質、管理職や経営陣の能力、そして環境経営など、あらゆる面で評価される企業として成長するために、質の強化に取り組んでいます。その根底にあるのは、「Spirit of Challenge」という経営理念です。常にチャレンジャーとして成長を目指しながらも、その到達点は社会やお客様、ステークホルダーから信頼され、評価される企業になることを目指しています。

ESG課題へのさらなる取り組み

   中期経営計画では質の強化の一環として、ガバナンスの強化を基本に、コンプライアンスの重視、品質管理体制の向上にも努めています。「リスク・コンプライアンス委員会」や「中央品質管理委員会」等の設置により、法令やルールを厳格に遵守する体制を整えております。また当社では、より働きやすい環境と働きがいを感じられる機会を生み出すために、働き方改革も進めています。例えば、電炉メーカーは電気料金の安い土日や夜間を中心に工場を稼働することが通例となっていましたが、近年、太陽光発電など再生可能エネルギーの拡大に伴い、余剰電力が豊富な平日昼間の電力供給体制が見直されています。そこで当社グループの関東 スチールでは、夜間や休日の出勤、稼働時間を大幅に削減しました。また作業現場でもっと女性が活躍できる環境を目指して、トイレやシャワールームの増設など厚生施設を充実することで、多様な人材が活躍できる環境づくりにも取り組んでいます。また環境面においては、グループ全体でのCO2の排出量削減を目的としたエネルギー使用量の削減に取り組んできました。しかし、資源循環を生業としている当社にとって、自分たちに課すハードルは高くあるべきだと考えます。鉄を作るプロセスでは、鉄以外の副産物としてスラグ(鉱滓)等が発生しますが、当社ではスラグを路盤材として再利用しております。限られた資源を効率良く使用し、環境負荷を極限まで低減したものづくりを実現するために不断の努力を続けてまいります。

現在も受け継がれる創業精神「未来への挑戦」

 当社の実質的な創業者、高島浩一は、戦後の荒廃した日本に心を痛め、もう一度世界の人々に「日本の素晴らしさを発信したい」と鉄鋼事業に邁進し、日本の電炉メーカーとしていち早く海外進出を果たしました。ベトナム進出のきっかけも、ベトナム戦争により荒廃したインフラ復興の力になりたいという思いからでした。その原点となる思いは、経営理念である「Spirit of Challenge」という言葉に込められています。「どうしたら儲かるか」ではなく、「鉄づくりを通じて社会に貢献し、世界のインフラづくりに貢献する」という創業精神は現在にも受け継がれています。 中期経営計画のテーマでもある「未来への挑戦」も、高島浩一の思いを表した言葉です。1970年代に公害が問題となった際に、誇りを持って取り組んできたものづくりが、環境への負荷を深刻化させている現実に心を痛めた高島浩一は、「地球の包容力に甘えず、持続可能な社会を作っていかなければいけない。経済成長を生み出してきた技術力を、地球環境、自然、地域との共生のために使おう」と考えました。それが、「未来への挑戦」であると。近年、国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」も、企業の持続的な発展と社会への貢献をいかに両立させるかということを問うものです。そしてこれは、 鉄資源の循環を通じて社会に貢献したいという私たちの想いと通じています。資源循環型社会の確立に向けて、自分たちがどのように貢献していけるのかを考え、これからも挑戦を続けていきます。

社会に信頼される企業として

   この環境報告書は、以上述べました当社の歩みや取り組み内容、そして持続可能な社会の実現に貢献していく決意をご紹介しております。また重要課題(マテリアリティ)特定のロードマップを見据え、社員にも環境について見直す機会にしてほしいという思いも込めました。ステークホルダーの皆様には当社の取り組みを是非ご高覧いただき、忌憚のないご意見をお寄せいただきますよう、お願い申し上げます。