

鉄鋼業界も広いので、共英製鋼が属している「普通鋼電炉」の業界について考えてみましょう。
ここで製造されているものの大部分は、鉄筋コンクリート用棒鋼(鉄筋)のような建築・土木用の製品です。それは社会にとって非常に重要なものを造っているということであり、未来永劫生き残っていく産業だと言えます。しかし、他の業界と同様に中国や韓国をはじめとする海外の製品が次々に押し寄せてくるという現状があり、安穏としていては飲み込まれてしまうでしょう。10年後もその先も社会に必要とされる業界ではあるけれど、私たちが確実に生き延びるためにはそういった海外勢とどう戦っていくかがキーとなると思います。

海外勢も含め同業者が多数ひしめき合っているこの業界の中で、この先も勝ち残っていくにはしっかりとした事業基盤と何よりも技術革新が必要です。鉄筋は誕生してからまだ100年ほどの新しいもの。だからまだまだ進化するものだと思うし、今も熾烈な技術競争の中にあると思います。この技術革新は特に、さらに高くなるであろう今後の高層建築には不可欠です。
また、東日本大震災で思い知らされたように、日本列島は地震への備えが非常に大切です。そのためにコンクリートは強度を増していますが、それを支える鉄筋も強くならなければ意味がありません。それから、コンクリートのもとであるセメントは製造工程の中で多量のCO2が発生します。CO2削減のために、セメント会社は中性セメントの開発を進めています。セメントはもともとアルカリ性で、アルカリ性に包まれているから鉄筋は錆びにくいという仕掛けでもあったのですが、アルカリ性から中性になれば当然これまでよりも錆びやすくなる。それに合わせて鉄筋メーカーは、どうすれば中性セメントの中でも錆びにくい鉄筋にできるかなどが開発テーマになってくるのです。
このように、周りの環境に合わせて鉄筋も確実に進化していかなければ新たな建造物は成立しなくなってしまいます。逆を言えば、鉄筋が進化することによって世の中の求める建築を実現することができるのです。
我々のように社会インフラを支えていく使命をもった会社は、いたずらに目新しい商品を次々と売り出したり、全く違った事業分野への参入を試みたりすることはしません。ずっとひたむきに「鉄筋」を造り続けていくのです。
だから今ある事業を10年後もしっかりやっていると断言できます。やり方をどう進化させるかがそれぞれの腕の見せ所だということですね。